日本の音楽の歴史

音楽という芸術が静寂によって語られることは決してありません。絵画や彫刻、美しい文字などと異なり、音楽は聴覚によって感じられるため、この文章を読みながらも何か曲をかけることをお勧めします。

まず始めに、日本の音楽の歴史における中国の影響について触れておきましょう。世界中の人たちが知識や技術、芸術作品のさまざまな制作方法を共有しているのと同様に、音楽も流動的なものです。よって、日本の楽器や楽曲の多くが中国から伝来していても不思議ではありません。素晴らしいのは、人々が常にそうした楽器や楽曲を自らの文化や伝統に取り入れ、独自のものにしていることです。

  • 尺八

日本で最初に竹から笛が作られたのがいつ頃なのかは分かりませんが、それは天才的なアイデアでした。尺八は日本の歴史において誰もが知る楽器の1つとなったのですから。尺八の穴は、裏に1つ、表に4つ、合計5つが一般的です。

日本の伝統的な楽器の中でおそらく一番人気がある琴は、木製の大型楽器です。正確なことはわかっていませんが、約2500年前に中国で生まれたと歴史家は考えています。

  • 三味線

世界にはギターに似た楽器がたくさんありますが、三味線もその1つです。3本の弦と、細長い棹に小ぶりな胴が特徴で、ギターと同じように、頭にある糸巻を引っ張って音程を調整します。

日本最古の伝統音楽は仏教の読経と宮廷音楽であり、本来は聲明(しょうみょう)および雅楽(ががく)と呼ばれています。興味深いのは、雅楽が器楽のみの「伎楽」と、声楽を含む「正楽」に分かれていることです。

音楽はしばしば踊りを伴いますが、その良い例が歌舞伎です。このドラマチックな芸術形態においては、歌と踊りの両方が大きな役割を果たしています。しかし、さらにユニークなのはその伝統的な化粧法です。また、日本のオペラと呼ばれる「能」も忘れてはなりません。古典文学のストーリーを演劇に取り入れることほど美しいものがあるでしょうか。